スケッチしながら、どこまで描いたら、対象に似てくるのか、考えた

最近、スケッチをはじめようと、スケッチ帳を購入した。大きさはA4くらい。月曜日(10/9)と今日、外に出た際に、スケッチをしてみた。いざ鉛筆をもってスケッチ帳を広げても、なかなか描けない。考えてみると、まともな絵を描いたのは、高校の美術の時間以来であると思い至った。試しと、近くにある木を描いてみた。真剣に木を見て、どうやって線を描くか、木を見て、スケッチ帳を見て、思い悩んだ。
絵を描きながら、昔読んだ本に、「人間は、ぱっと見ただけで梅と桜とを区別できる」云々と書いた文章を読んだことを思い出した。後で調べてみると、中谷宇吉郎氏の"科学の方法 (岩波新書 青版 313)"の付録に付されていたところに述べられている内容であった。(話自体は、土器の分類を定量的な評価結果に基づいて行う試みについてがメインで、木の分類自体の話は、ちょろっと出てくるだけである。)
確かに、人間は、ぱっと木を見ただけで、それが梅であるか、桜であるか、瞬時に区別できてしまう。絵を描きながら、「その判断のポイントは、いったいどこなんだろう」と思い悩んだ。白紙のスケッチ帳に、どれだけ線を描いていったら、目の前にある木に似てくるんだろう、あるいは目の前の光景に似てくるんだろう、と考えながら描いてみた。なんか、ものすごく奥が深そうな世界である。人間って、どうやって物を識別しているんだろう、って不思議に感じた。