久しぶりに書く

昨日、以下の本を購入した。

内容としては、2chを中心としたネット世界と既存マスコミとの衝突の様子をまとめたものである。2ch(とくにニュース速報+あたり)を見ている方にとっては、なじみの話題ばかりです。日頃から2chに目を通すことの多い私には、非常によくわかる内容ばかりでした。
特に、山野車輪氏の「インターネット論」が興味深かったです。2chなどの隆盛を論じ、2chによる既存マスコミへの突っ込みを述べるる人が多い中で、「ネット対マスコミという戦いは、インターネットを利用する人がインターネットに飽きたことによって収束するのではないでしょうか」、「ネット対メディアの対立軸で言えば、メディア側の『大きな傷を負いながらの不戦勝』といったものになるでしょう」との分析は、珍しい部類ではないでしょうか。2chの持つ「匿名性」が持つ限界を、自覚なさっているのだと思います。
私は、「匿名性」は1個人が「大きな権力」(国家であったり、大企業であったり、マスコミであったり、怪しげな団体であったり・・・)から身を守りつつ、「異議申し立て」、「対抗」できる唯一の手段だと思います。多くの個人は、「大きな権力」に対抗するには、経済力も影響力も微々たるものです。2chは、その微々たる個人が合わさって、従来では不可能であった、「大きな権力」への「異議申し立て」、「対抗」をなしうる可能性を秘めているところに、2chの魅力を感じています。ただし、2chのような場で完全に意思統一が図られて、実社会に影響を及ぼすまでになるのかどうかは、現時点ではわかりません。
もちろん、この「匿名性」は諸刃の剣で、悪用すれば、どうしようもなくなることは、言うまでもありません。
話は変わりますが、上の「体制や大人への反抗心」の話題で、最近の若者は「損得勘定が判断の基準になっている」と分析されていました。しかし、TBS免許剥奪運動や、2chでの朝ズバ関連の不買運動のように、損得勘定だけでは説明できないことがらも多くあります。ただ、昔は「体制」だけが反抗の対象でしたが、今はマスコミ自身も、その「体制」側になって、「反抗」の対象となっているところに、時代の違いを感じます。