wikipediaについて(2)

昨日も書いたが、結局物理学や工学といった、やや専門的なところは、まだまだ内容が十分とはいかない。専門家の参入がない大きな理由は、利益がないからだと思う。知識でも、情報でも、何らかの「価値」を提供したならば、それに見合う「対価」を受け取らなければ、提供者側としては、生きていけないし、ご飯も食べていけない。当然のこととして、専門家は自分の仕事が忙しいし、そんなことに構っていられないというのが、本音だと思う。(かく言う私も、wikipediaをどういうふうに更新するかを考えている時間があれば、自分の本業を一生懸命やったほうが、より実益になる(なお、今日まで、wikipediaを見たことはあるし、こんな風に書き換えたらいいな、とは考えたことはしょっちゅうあるが、更新したことは一度もない)。wikipediaの更新には、専門家に対するインセンティブが欠けていると思う。
wikipediaのコンセプトは非常に面白いし、賛同する。しかし、wikipediaのように、「あらゆる情報は無償である」みたいな状況を認めると、いままで有償で専門的な情報を提供してきた人々は、どうやって収入を得ていくのであろうか?「無償で手に入らないような、さらにハイレベルな価値を創造して」いくのか、あるいは、そのまま路頭に迷うのか・・・。前者であれば、それはそれで人類の知的生産の効率化に対して有効である気がするが・・・。